日常の仕事、非日常の旅。
ひとつのバックパックで、どちらもこなしたい。
そんな「これさえあればいい」と思えるバッグを、ずっと探していました。
けど、現実はそんなに甘くない。
容量は頼もしい。
でも普段使いにはちょっと野暮ったい。
サイズは完璧。
でもパッキングが毎回テトリス。
”ちょうどいい”を求め続けて、いくつものバッグを試してきましたが、どれも決定打に欠けていました。
「結局、どちらかは我慢するしかない…」
そう思っていた、そのとき。
HOLICC One miniと、目が合ってしまったのです。
いや、バックパックに目はないんですが。
でも、確かにこっちを見ていた気がしました。
…というわけで、実際に購入。
正直にレビュー・感想をお伝えします。
理想を形にした、旅人のデイパック

旅をしながら働く。
そんな理想を、現実にしてくれるブランドがあります。
それがHOLICC(ホリック)。
「旅するように働く」をコンセプトに、日常と非日常をシームレスにつなぐプロダクトを多数展開しています。

実をいうと、僕は以前からHOLICCの愛用者です。
圧縮機能付きショルダーバッグ「PackBag+」をヘビーユーズしていまして、パッキングキューブとしても、サブバッグとしても使いやすい名品でした。

だからこそ、今回の新作デイパック 「HOLICC One mini」 にも、自然と期待が高まっていたんですよね。
圧縮する、という新しい発想

One miniが持つ最大の特徴は「衣類の圧縮機能」です。
ファスナーをぐるっと閉めるだけで、バッグの中の衣類をギュッと圧縮できます。
まるで“持ち運べる真空パック”です。


今までは圧縮バッグのPackBag+を使用していたのですが、それがこのデイパックの中に“まるごと組み込まれた”ような感覚です。
別で圧縮バッグを持たなくても、このOne miniひとつでパッキングがすべて完結。
旅の準備が驚くほどシンプルになりました。

この圧縮構造には、他にも気に入っているポイントがあります。
- 荷物が少ない日はスリムなシルエット
→日常使いでも違和感なく自然に馴染む - 圧縮スペースには仕切り板付き
→他のスペースを圧迫せず、荷物をスッと取り出せる - あえて圧縮しないことでスペースが拡張
→旅先で増えたお土産や購入品も収納できる



ただ荷物を減らすのではなく、使い方の幅を広げられるのがOne miniの魅力です。
ちなみに、圧縮スペースには「止水ファスナー付きポケット」も備わっています。

僕はよく「サウナ→カフェで作業」をよくするのですが、使用済みのタオルや衣類をそのまま収納できるのは本当に便利です。
2階建構造で、取り出しストレスをゼロに

One miniの使いやすさは「2階建構造」にも秘密があります。
上段にはすぐに取り出したい小物、
下段には洗面用具や弁当箱などのかさばるものを収納。
用途ごとにしっかり仕分けできるので、カバンの中が自然と整います。


このおかげで、バックパックあるあるの「下に入れたものを取り出したくて、全部ひっくり返す問題」からついに解放されました。
必要なものが“どこにあるか”を考えず、感覚的に取り出せる。
一度この感覚を味わうと、もう“ワンフロア構造”には戻れません。
一般的なバックパックは、上部がデッドスペースになってしまいがち。
ですが、One miniはスペースを余すことなく有効活用できるので気持ちがいいですね。

ちなみに、下段スペースにはPackBag+がジャストフィット。
これも気持ちいい。
独立したPCスペースで、ノマドワークも快適

背面には独立したPC収納ポケットを搭載。
最大16インチのノートPCがすっぽり入るサイズで、衣類や小物をかき分けることなく、スッと取り出せます。
クッションも分厚く、裸でPCを入れても安心感があります。
地味に嬉しい、ふたつのポケット
One miniには、地味に効く便利なポケットが2種類備わっています。

まずはボトルポケット。
内側に配置されているため、ペットボトルや折りたたみ傘を収納しても、見た目のシルエットを崩しません。



一般的な外ポケットに収納するタイプは、どうしても野暮ったさが出てしまいます。
特にバッグの横にペットボトルが刺さっていると、「ピクニックにでも行くの?」という見た目になってしまうこと、ありますよね。
One miniはその点がスマート。
折りたたみ傘と水筒の両方を収納できるのも嬉しいポイントです。

もうひとつは、背面の隠しポケット。
ミニ財布やパスポートなど、貴重品を入れるのにちょうどよく、セキュリティ面でも安心できるポケットです。
低反発パッドで、心地よく移動

衣類やガジェットを詰め込んだバックパックを持ち運ぶには、どうしても”肩への負担”が気になるところ。
One mini は、その点もぬかりありません。
ショルダーハーネスと背面クッションに低反発パッドを採用。
背負った瞬間から「お、やさしい」と思わず声が出るレベルの快適さです。

低反発素材を使ったバックパックは初体験なのですが、この“じんわり包まれるような感覚”にはちょっと衝撃を受けました。
さらに、通気性の高いメッシュ仕様になっているため、夏場でも蒸れにくく、常にサラッとした背負い心地をキープしてくれます。
新素材「Limova」が放つ、無垢で上質な質感

One miniの生地には、HOLICCが独自開発(おそらく)した新素材「Limova(リモバ)」が採用されています。
このLimova、見た目はマットで落ち着いているのに、光の角度によってほんのり表情が変わるのが印象的。
しっとりとした手触りは、まるで上質なレザーのようです。

実は、素材にはもうひとつ「シルナイロンコーデュラ」という選択肢もあるのですが、正直に言うと、あまり好みではありませんでした。
兄貴分のOneは、このシルナイロンコーデュラのみの展開で、見た目や質感にどうもピンと来ないことから購入を見送っていたんですよね。

その点、この Limova は本当に絶妙。上品だけど主張しすぎず、“旅人っぽさ”と“日常のスマートさ”のちょうど真ん中にいる感じです。
HOLICCさん、ぜひPackBag+にも採用してください…!
妥協のないビルドクオリティ

話題になるバッグはデザインや機能が先行しがち。
実際に手に取ると「あれ、作りちょっと甘くない?」と感じるものも少なくありません。
ですが、One mini は違いました。
細部を見るほど「長く愛用してもらえるモノづくり」の姿勢が伝わってきます。

まず、ファスナーは信頼のYKK製。
圧縮機能を支える重要なパーツだけに、耐久性は命です。

引き手はHOLICCオリジナル。
開閉のしやすさだけでなく、デザインの安っぽさ解消にも一役買っています。

トップハンドルもメッシュ仕様。
手汗が気になる季節でも持ちやすいです。


さらに、ショルダーベルトやハンドルの接合部には、バータック(補強縫い)が施されており、重い荷物を入れても安心して使えます。
正直、バータックがないバックパックは、僕の中で購入対象外。
これがあるかないかで、“信頼できるバッグかどうか”がだいたいわかります。

そして地味に嬉しいのが、この四角すぎないフォルム。
四角いバックパックは、ビジネスライクすぎて好みではないのですが、One miniはどんなスタイルにも自然に馴染む形をしていますね。

こうした細部の“抜かりのなさ”は、毎日使うバッグに欠かせないポイント。
話題性だけで勝負していない点が、購入の決定打になりました。
実際に使って感じた気になる点
ここまでベタ褒めしてきましたが、もちろん気になる点もいくつかあります。
折りたたみ傘の収納性

内側のボトルポケットはスマートな設計ですが、ややサイズが小さめ。
そのため、大きい傘は入れづらい印象です。
コンパクトタイプなら問題ないものの、自動開閉タイプのような大型サイズは入らないかもしれません。
ちなみに、僕が持っているユニクロの傘(27cm)がギリギリ収まるくらいのサイズです。僕はいつもねじ込みながら入れています。
ナイロン部分の汚れやすさ

前面素材の質感はとても良いのですが、
その他に使われているナイロン素材はやや汚れが目立つ印象です。
個人的には、Limova素材をバッグ全体に採用してほしいというのが正直なところですね…。
価格とのバランスで難しいのかもしれませんが、あの無垢で上質な質感を全面で楽しめたら…と思わずにはいられません。
もしくは「X-Packフル仕様」のようなモデルが出たら、間違いなく即ポチです。
どんなときも「無理せず」、このバッグひとつで

旅でも、仕事でも、日常でも。
どんなシーンでも、無理せず使える。
それがOne miniの最大の魅力です。
よくあるのが、
「旅行にも使いたいから」
と無理して大きめサイズを日常使いしたり、
「小さい方が軽いから」
とコンパクトバッグに無理やり衣類を詰め込んだり…
ひとつで全部をこなそうとすると、
どこかで“ちょっとした我慢”が発生するんですよね。
でも、One mini にはそれがない。
ちょうどいい容量と機能性のバランスが、無理なく「旅」と「日常」をつないでくれます。
久しぶりに、しっくりくるバックパックに出会いました。




