「工場のライン作業が間に合わない…」という悩みにお答えします。
工場のライン作業は見てるだけだとカンタンそうですが、実際にやってみると思ったよりもスピードが速くてついていけないですよね(とくにトヨタ系はきつい…)。
上司やリーダーからは「最初はみんな間に合わないから大丈夫だよ」と言われるものの、いつまでも間に合わないままだと怒られそうだし早く上達したい方も多いでしょう。
そこで本記事では、工場のライン作業に間に合わない原因・間に合うようになるためのコツを紹介します。

僕は自動車メーカーの工場で9年間働いていました。ライン作業者と指導者の両方の気持ちがわかるので参考になるかと思います。
この記事を読めば、ライン作業が間に合うようになり、上司やリーダーから褒められるでしょう。
工場での仕事に早く慣れたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。




ライン作業が間に合わない3つの原因


ライン作業を楽に行うために、まずは「なぜ間に合わないのか?」を理解しましょう。
ライン作業に間に合わない原因は以下の3つがほとんどです。
- 焦って作業をしている
- 完璧主義になっている
- ライン外を呼んでない
それぞれ解説します。
①:焦って作業をしている
ライン作業に間に合わない原因の多くは「焦って作業をしているから」です。
作業が遅れると焦ってしまう気持ちはよくわかりますが、ライン作業は焦って作業するほど間に合わなくなっていきます。
なぜなら、焦って動いてしまうと無駄な作業が生まれるからです。
たとえばこんな感じになっていませんか?
- 焦って、ボルトを落下させてしまう
→落下ボルトを拾う無駄な作業が生まれる - 焦って、余計に部品を取ってしまう
→部品を戻しにいく無駄な動作が生まれる - 焦って、作業手順を間違えてしまう
→やりなおすために無駄な動作が生まれる
工場の製造ラインは「短時間で多くの製品を作るのが目標」であるため、どの工程も「無駄な動きがないこと前提」で設計されています(とくにトヨタ系はムダを一切許さない)。
そのため、小さなミスであってもかなりの時間ロスになるんですよね。たった1秒の時間ロスでも、それが10台続けば10秒のロスになります。



焦って動くとミスが増えるわ、体力も消耗するわで何もいいことがありません。
②:完璧主義になっている
ライン作業は完璧主義でていねいに動きすぎるのも間に合わない原因となります。
というのも、完璧主義者もまた無駄な動きが多くなるからです。
たとえばこんな行動をしていませんか?
- 部品がズレたから直しておく
→実はその程度のズレなら問題ない - 部品が汚れたから拭いておく
→実は後工程で隠れるから問題ない - 前工程のミスを直してあげる
→実は後で班長が直すから問題ない
先述したとおり、ライン作業は無駄な動きをしている暇なんてありません。
良い製品を作ろうとする精神は素晴らしいのですが、上記のとおり、実はちょっとくらいテキトーに作業をしても問題ないことがほとんどなんですよ。
なので、ライン作業において完璧主義は捨ててしまったほうがいいです。



テキトーにやると怒られそう…と思うかもしれませんが、注意されたら「あ、これはダメなんだ」と次回から気をつければOKですよ。だんだんさじ加減がわかってきます。
③:ライン外を呼んでない
「作業遅れでライン外を呼ぶのはあまりよくないこと」と思い込んでいませんか?
しかし、それは違います。というのも、ライン作業ではそもそも絶対に間に合わない工程(作業)もあるんですよね。
たとえば…
- オプション品が付くと制限時間をオーバーする
- 高齢者をカバーするため、若者の工程は作業が多くなっている
と、「オプション付きが流れてきたらライン外を呼ぶ」「定期的にライン外を呼んで手伝ってもらう」と決まっている工程もあります。



いわゆる「ハズレ工程」というやつですね。
自分がどんなに頑張っても間に合わない工程もあるので、もしハズレ工程に割り当てられているなら「間に合わない自分は仕事ができないんだ」と悲観する必要はありませんよ。
ライン作業がうまくなるための3つのコツ


ここからはライン作業を楽に行うコツを紹介します。
ライン作業に間に合わないなら以下の3つを試してみてください。
- 落ち着いて作業してみる
- マルチタスクを意識する
- 作業マニュアルを変える
順番に解説します。
①:落ち着いて作業してみる
ライン作業は焦っても無駄な作業が増えるだけです。
作業に慣れるまでは焦ってしまうかもしれませんが、早く慣れたいなら落ち着いて作業を心がけましょう。
たとえば以下のとおり。
- ボルトの必要本数をその場で確認する
- 部品をゆっくり確実に取り付ける
- 作業をチェックしながら確実に進める
このように、ゆっくり落ち着いて作業をしたほうが、ミスをしないぶん早く終わります。
「ゆっくり動くとやる気ないみたいで怒られそう…」と心配かもしれませんが、指導者側からすると焦ってミスを連発されるより全然マシです。



作業ミスが多いと手直しするのが面倒なんですよね。作業遅れくらいなら少し手伝えばいいだけだから楽なんですよ。
なので、最初はスピードに間に合うことよりも「ミスをしないこと」を意識してみてください。スピードは後から自然についてきます。
②:マルチタスクを意識する
ライン作業を楽にするコツは「マルチタスク(同時作業)」を意識することです。
たとえば以下のとおり。
- 右手で部品をセットしながら、左手で工具を用意しておく
- ネジを箱から取り出しながら、取り付ける場所を見ておく
- 次に使う部品を準備しながら、前の作業のチェックをする
目の前の作業だけに集中(シングルタスク)だと、「えーっと次の作業は…」と考えてしまいますよね。
マルチタスクを意識するとその考える時間を短縮できます。数秒ですが積み重ねると大きな時間短縮になりますよ。



最初は難しいと思いますが、作業に慣れてきたら実践してみてください。意識するだけでだいぶ変わるし、慣れると体が勝手に動くようになりますよ。
③:作業マニュアルを変える
作業マニュアルそのものを変えてしまうのもおすすめです。
というのも、作業マニュアルに書いてあることが必ずしも最適解ではないんですよね。
マニュアルは初心者でもできるように考えられていますが、それは「そのマニュアルを作った人がやりやすいだけ」でしかありません。
人によって身長や利き手は違いますよね。
そのため、自分がやりにくいと感じるならマニュアルは変えてOKです。上司やリーダーに相談すると改訂してくれますよ。
たとえば…
- 作業順序はこれが先のほうがいい
- この工具はもっと近くに置きたい
- ネジを入れておく箱を増設したい
このように相談してマニュアルを改訂してもらえば、作業効率が上がって楽になりますよ。
もちろん認めてもらえない可能性もあるし、勝手に変えるのはダメですが、どうしても作業がきついなら相談してみてください。
工場のライン作業が精神的にキツいときの対処法


ここまでライン作業に間に合うためのコツを解説しました。
とはいえ、人間には向き不向きがあるので、なかなか上達しないで精神的にキツい思いをするかもしれません。
そこでおすすめな対処法が「辞める準備をしておく」です。
常に辞める準備をしておけば楽に働ける
どんな仕事でもそうですが、辞める準備をしておけば楽に働けます。
なぜなら、「本気できつくなったら辞めればいいや」と逃げ道ができるからです。
たとえば以下のとおり
- ライン作業が肉体的にきつい
→本気で限界がきたら辞めればいいや - 単純作業で頭がおかしくなる
→本気で限界がきたら辞めればいいや - 上司のパワハラで精神が病む
→本気で限界がきたら辞めればいいや
こんな感じで無敵になります。
辞める準備とは?
「辞める準備って何をすればいいの?」と思うかもですが、シンプルです。
”転職サイトに登録だけしておく”
たったこれだけで気持ちがめちゃくちゃ楽になります。
僕は1度、仕事のミスで上司から死ぬほど怒られたことがあるのですが、転職を意識できていたおかげで「最悪辞めればいいだけだしもう少し頑張ろう」と思えました。



あのとき、何も対策をしていなかったら精神的に病んで「うつ病」になっていたかもしれません…。
「転職したくなったときに登録すればいいのでは?」と思うかもですが、実際にどんな仕事があるのか知らないと「本当に転職できるのかな…」と不安ですよね。
なので、逃げ道は早いうちに知っておいたほうがいいですよ。
\ 逃げ道を探しておこう /
まとめ:ライン作業が間に合わないのは、コツをつかんでいないだけ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
工場のライン作業に間に合わない原因と対処法を解説しました。
もういちど振り返ると以下のとおり。
- 焦って作業をしている
- 完璧主義になっている
- ライン外を呼んでない
- 落ち着いて作業してみる
- マルチタスクを意識する
- 作業マニュアルを変える
ライン作業は「慣れ」が重要な仕事です。
慣れるまでは地獄のようにキツい毎日ですが、慣れてしまえば「あれ?なんか間に合ってる?」みたいに、急にラクに感じる日がきます。
なので、今回紹介したことを意識すれば、ある日ふとライン作業に間に合うようになりますよ。
頑張ってください!


工場勤務から転職したい方へ
ちなみに、工場勤務から転職したい方は以下の記事を参考に行動してみてください。
今は仕事の選択肢がたくさんあるし、学歴がなくても転職しやすい時代です。
無理に工場で働く必要なんてありませんよ。


コメントはお気軽に!